体に必要な栄養は日々の経口摂取(食事・サプリメント) がキホンですが、何かしら治療的な意味があってビタミン・ミネラルの血中濃度をガツンと上げたい時に経口摂取では役不足なのです。
そのような場合には血管内に直接点滴するしかありません。これが点滴療法の最大のメリットです。
当院では高濃度ビタミンCとマイヤーズカクテルの点滴を行なっております。

①高濃度ビタミンC点滴

• 疲れやストレスの多い方（副腎で作られるストレスに対応するホルモンの材料として）
• お肌のハリや骨の修復などのために（コラーゲン線維の材料として）
• 美白効果（メラニン産生抑制）
• 抗酸化作用（活性酸素の抑制）
• 免疫力の向上（白血球の機能を強化）

国内に流通している従来のビタミンC製剤には防腐剤が含まれているので大量に点滴するのには向きません。
そこで毎月アイルランドのMylan社の工場から冷蔵空輸して使っています。
安全なビタミンC製剤を選ぶだけでなく、不安定なビタミンC水溶液の効果を維持するために輸送途中のいかなる状況においても2～8℃の冷蔵保管義務(USP基準＝米国薬局方)が守られているビタミンCを使うことが必要不可欠だと思います。

さらに、高濃度のビタミンCを点滴する際には必ず赤血球膜の「G6PD」と言う酵素の活性をチェックし「G6PD酵素異常症」でないことを確認する必要があります。(日本人の頻度は0.1%程度と言われています)この酵素の異常があると高濃度ビタミンCを点滴した際に溶血発作を起こす可能性があります。非常に稀ですが、事前に検査を受けて頂きます。（他院ですでに検査済みの方はお知らせください）
点滴時間は1時間程度ですが、点滴するビタミンCの量だけでなく血管の太さや血管痛の有無を見ながら調整します。

②マイヤーズカクテル

米国のマイヤーズ医師がはじめたことに由来するビタミン・ミネラルのカクテル点滴です。適応は気管支喘息、偏頭痛発作、全身倦怠、慢性疲労症候群、線維筋痛症、こむら返り、急性上気道炎、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、慢性蕁麻疹、甲状腺機能亢進症、生理不順などです。
ビタミンB1・B2・B3・B5・B6・B12・ビタミンC・グルタチオン・マグネシウムなどの点滴製剤を使います。メニューは日本人に適した内容にアレンジしています。
プラセンタの生物製剤としてのリスクをご承知の方には同時に点滴することもできます。点滴時間は30分程度です。

• 信頼のおけるメーカー・輸入会社を通じたビタミンC製剤のみ使用します

  ビタミンC製剤の輸入に関しては関税手続き中は常温に放置されていたりetc.と言う事が無いように、一瞬たりとも温度管理を怠らないメーカー・輸入会社を通じて入手しています。

• 高濃度のビタミンCを点滴する際には、赤血球膜の「G6PD」と言う酵素の活性チェックを。

  12.5g点滴の方には必要ないと言うクリニックもありますが、与量が増えていっても安心ですし、一生に1回すれば良い検査ですから、当院では高濃度ビタミンC点滴をお受けになる方全てにG6PD検査をおすすめしています。